ここ最近、「大手企業が副業解禁」といったニュースをよく見かける。
副業を認めることで社員の幅広い視野や知見を…というのが理由だそうだが、こういったニュースに違和感を感じるのは私だけだろうか?
日本国憲法>就業規則
先日知ったのだが、日本国憲法の22条にはこのようにあるそうだ。
第二十二条
①何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
②何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。
日本国憲法において、職業選択の自由が定められている。
なのに、就業規則で副業を禁止している会社が多い。
もちろん、本業で得られる機密事項を使って競合他社で副業をされたら困るので、それを防ぐ意味なら理解できる。また、掛け持ちで寝る間もなく本業に影響があるのは問題なので、これもわかる。
けど、こういった理由ではない「就業規則での禁止」に何の意味があるのだろう?例えばその副業が「アフィリエイトで報酬を稼ぐ」だった場合、どんな本業だったらまずいのだろうか?
日本国憲法より効力のある就業規則とは何ぞや?という話になるだろう。
昔のような終身雇用の仕組みも崩壊し、10年後どうなるかもわからないこのご時世。自分のスキルを使って空いた時間で副収入を得るのは、今後さらに珍しくなくなっていくだろう。
まあそもそも「解禁されてから初めて副業を考えるような人は、アフィリエイトに向いていない」ということ。
副業から複業へ
副業というのは「副」という言葉がつくことからもわかるように、サラリーマンとしての本業があってこその考え方。
けど、確定申告をすればわかるけど、法的にはどっちが本業でどっちが副業かという区別はない。ただ、雇用されてメインで働いている方が本業、と考えることが多いというだけ。
副業というと給料の足しにしたりお小遣い稼ぎというイメージが強いと思うけど、これからの時代はそれよりも「複数の収入源を持つ」という考え方の方が時代に合っているかもしれない。
副業じゃなく「複業」。
人材を「人財」と言ってみたり、障害者を「障がい者」「障碍者」と書くような言い換え言葉はあまり好きじゃないけど、この複業というのは考え方の問題なのですごくよくわかる。
まずはサラリーマンをしながらお小遣い稼ぎの副業としてスタートし、サラリーマンの収入の半分くらいを得られるようになれば立派な「複業」と言えるだろう。
記事冒頭にも書いたように、今は副業解禁というのがトレンドになっているようだが、10年後はそれが今よりも当たり前のことになっているだろう。
そう考えると、今躊躇している人が居るなら大きな機会損失だと思う。
額の大小だけではなく、複数の収入源を持つというのはリスクヘッジとしても重要なことなので、少しずつそういったことを考えておいた方がいいかもしれない。