Coincheckの件もあり、「税金が払えない人が続出するのでは?」ということで話題になっている。
仮想通貨 例えば、昨年の高騰で1億円の利益を確定した人がいたとします。この場合、3月15日までに約5500万円の税金を払わなくてはいけない。 今年の暴落で損をしても合算できない。自己破産しても、税は免責されず、相場での損は免責されないので、一生、借金だけを背負ってゆく
— 渡邉哲也 (@daitojimari) 2018年1月26日
まさにこの通りなのだけど、このツイートのリプライを見ていると、認識が異なっている人も多いようなので、補足する。
仮想通貨の「利益確定」とは
まず大前提。
先ほど引用したツイートにある「昨年の高騰で1億円の利益を確定した人がいたとします」の部分。
これを「日本円にした人」と解釈する人も多いだろう。
もちろん日本円にすれば利益確定になるけど、それだけじゃない。
仮想通貨から別の仮想通貨に替えることも、利益確定になるのだ。
放ったらかしで含み益が1億円になったのなら、その時点では「利確」していないので税金はかからない。
ただし、トレードを行えば都度利確となる。
極端に言えば、ビットコインの含み益が1億円になり、そのビットコインでイーサリアムを買った場合、1億円の利確をしたことになるのである。
すると、どうなるか…
税金が払えない人が続出!?
トレードを繰り返して、「昨年の利益が1億円」になる。
日本円にはせず、仮想通貨で持っている状態であっても、昨年の1億円の利益に対する税金(5,500万円)が発生する。
そして年が明けて、1月末のこの下落!
評価額は一気に、5,000万円にまで下がったとする。
昨年の税金である5,500万円は、変わらない。
今持っている仮想通貨を急いで全部売却しても、500万円足りない。
これは、仮想通貨の利益は「雑所得」の扱いなので、去年の利益と今年の損失の通算もできないからこんなことになる。
例えばウォレットへの送金をミスしてGOXしてしまった場合も、税金は免除されない。
Coincheck騒動で一番怖がっていた人は、今年支払うべき税金分もCoincheckに保管していた人だろうな。
そして、どうにもならず自己破産しても、税金は免除されない。
恐ろしい…。
で、これの何が怖いって、まだ上記を理解した上で怖がっている人はマシである、ということ。
要するに、この仕組み自体を理解しておらず、悪気なく脱税してしまう人が居るだろうということ。今回のCoincheckの件で仮想通貨の利益についてはマークされているはずなので、脱税者が続出するのではないだろうか!?
日本円で利確しておいてよかった!
ちなみに私のケース。
2017年10月20日に、その時点で保有する全ての仮想通貨を日本円に利確し、銀行へ出金した。
その時の記事がこちら。
【利確】税金に備え、全ての仮想通貨を日本円にした(200万円→2,100万円)
このブログのタイトルにある「テンバガー」を達成したというのと、それより何より「仮想通貨同士のトレード」の税金計算があまりにも面倒だったので、全部日本円にしてしまったということだ。
ちなみに、利確した時点でこの「損益通算ができないリスク」について私はものすごく考えていたので、こんな記事を当時書いている。
仮想通貨を全額利確した理由/トレードだけでも課税され、年をまたいだ損益通算ができないリスク
当時この記事を書きながら、「まあこんなに極端なことは99%起きないだろうけど」と思っていたのだけど、まさに年明けの1月末に発生してしまった、ということだ。
なので私は今となっては、10月時点で日本円に利確しておいて本当によかったと思っている。
もっと言うと、日本円にしたものを銀行に出金しておいてよかった。
ちなみにその時利確せずに年明けまで持っていたら、計算上は2018年頭に「億り人」になっていた。
けど、もしそうなっていたなら今回の大暴落でひどい目に合っていただろう。
仮想通貨を買うなら理解しておくべきこと
私は税金の専門家ではない。
確定申告は税理士に任せている。
サラリーマンの片手間の、少額のなんちゃって投資家レベル。
この記事を読んでいる人は、私のようなサラリーマンが多いだろう。
なので、細かい税金のことを全て把握する必要はないと思うけど、以下は認識しておいたほうが良い。
・仮想通貨の税金は「雑所得」扱い
・累進課税なので、利益4000万円以上なら最大55%(住民税を含む)持っていかれる
・損益通算ができない(今年どうなろうが、昨年の税金は発生する)
・仮想通貨の「利益確定」とは、「仮想通貨同士のトレード」も含まれる
・自分の資産は、取引所に置いておかずウォレットに移す
・ウォレット=秘密鍵を自分で管理できるところで!
こんなところかな。
とりあえず税金面は、ゆくゆくは法が改正される可能性もあるけど、現時点ではあくまで上記の通り。
とりあえず税金についてはご注意いただきたい。
仮想通貨に投資して、現物取引だけであれば、一番最悪のパターンは「投資額が戻ってこないこと」だと思っていたら、実は投資額が無くなるどころかマイナスになってしまうリスクがあるのだ。
間も無く確定申告のシーズン。
とりあえず2017年に仮想通貨トレードを行った人は要注意です。