Coincheckウォレットと貸仮想通貨サービス期間中の「取引所リスク」の違いについて

今回はCoincheck(コインチェック)の「貸仮想通貨サービス」のリスクについてのお話を改めて。

非常にお得なサービスであり、私も先日、XRPの1ヶ月貸出が終了したというのをこのブログでも記事にした。
【結果と考察】Coincheckの貸仮想通貨サービスで20万XRPを1ヶ月貸出完了

今後もうまく利用していきたいと思っている。
同じようにこのサービスの利用を検討している人も多いと思うが、非常にメリットの大きいサービスだからこそ、利用する前に今一度リスクについて理解した上で、有効利用して欲しい。

貸仮想通貨サービスの注意事項

貸仮想通貨サービスについて、改めて注意事項を確認してみよう。

・本サービスは、資金決済法に基づく仮想通貨交換業としてのサービスではありません。したがって、本サービスで当社が借入れる仮想通貨は、分別管理の対象とはなりません。
・仮想通貨の価格は、常に変動しており、貸付時と返却時では価格が異なるため、お客様は仮想通貨の価格変動リスクを負うことになります。
・貸仮想通貨サービスをご利用いただくに当たり、当社と締結いただく契約は「消費貸借契約」であり、無担保契約です。従って、当社が破綻した際は、お客様の貸付けた仮想通貨が返還されないなどのリスクを負うことになります。
・当社が借入れた仮想通貨に関しては、指定された期間が経過するか、当社が返却するまでは、売却及び他への送信はできません。
・本サービスは預金商品ではなく、預金保険の対象ではありません。

このように記載されている。
ざっと大きく分けて2つのリスクが考えられる。

価格変動リスク
 期間中は引き出しできないので、大暴落しても売れない。

取引所リスク
 仮想通貨取引所が破綻した場合、通貨を失ってしまう。

いわゆる「価格変動リスク」については、引き出しができない貸出期間中に大暴落が起きても身動き取れないですよ、というもの。見ての通りなので割愛。

この記事では「取引所リスク」について考えてみる。
その中でも大きく分けて2つ。
不正ログインと、取引所破綻のリスクである。

Coinchekの不正ログインに関する対応

以前に比べてCoincheckのセキュリティは強固になっている。2017年6月に発表された「国内初、ユーザーアカウントへの「不正ログインにかかる損失」を最大100万円まで補償。取引所Coincheckにおける「なりすまし」補償を開始というニュースもその一つだろう。

当社は、運営する仮想通貨取引所「Coincheck」にて二段階認証を設定しているユーザーアカウントを対象に不正ログインされたことによって被る損害を補償いたします。ユーザーは、二段階認証の設定をすることにより不正ログインによる被害の可能性を未然に防ぐとともに、万が一不正ログインによる被害が発生した場合においても、コインチェックによる補償を受けることが可能です。

取引所アカウントへの不正ログインに関するリスクは以前から言われているので、大変ありがたい取り組みである。

ただ、これはCoincheck自体のセキュリティ対策なので、この記事の主題である「貸仮想通貨サービス」に特化しているというわけではない。

資金決済法と分別管理の有無

仮想通貨を取引所のウォレット保管における、もう一つの大きなリスク「取引所の破綻」について。

・貸仮想通貨サービスをご利用いただくに当たり、当社と締結いただく契約は「消費貸借契約」であり、無担保契約です。従って、当社が破綻した際は、お客様の貸付けた仮想通貨が返還されないなどのリスクを負うことになります。

まあ取引所破綻に関するリスクは、さまざまな仮想通貨関連のサイトでも言われている、基本的なこと。当然みなさん理解しているはずだ。

では、そもそも取引所ウォレットに保管しておくのと、貸仮想通貨サービス利用では「取引所リスク」の観点では異なるのか?
注意事項のこの文言に注目頂きたい。

・本サービスは、資金決済法に基づく仮想通貨交換業としてのサービスではありません。したがって、本サービスで当社が借入れる仮想通貨は、分別管理の対象とはなりません。

・・・分別管理とは何か?
こちらのページより引用。

【内閣府令案20条2項1号】仮想通貨交換業者が自己で管理する仮想通貨

 利用者の仮想通貨と自己の固有財産である仮想通貨とを明確に区分し、かつ、当該利用者の仮想通貨についてどの利用者の仮想通貨であるかが直ちに判別できる状態(当該利用者の仮想通貨に係る各利用者の数量が自己の帳簿により直ちに判別できる状態を含む。次号において同じ。)で管理する方法

改正資金決済法(いわゆる仮想通貨法)により、仮想通貨の取引所に関しさまざまなルールが課された。その中の一つとして、「取引所の保有する通貨」と「利用者の通貨」を明確に分けて管理することが義務づけられた。

そして、この貸仮想通貨サービスは、「資金決済法に基づく仮想通貨交換業としてのサービス」ではないため、分別管理をされないということのようだ。

貸仮想通貨サービスは「締結いただく契約は「消費貸借契約」であり・・・」とあるが、消費貸借契約というのをWikipediaで調べてみると・・・

消費貸借契約とは、借りたものそのものは消費することを前提に、借りたものと同じものを同じ数量を返却することを約束して、物や金銭を借りる契約のことであり、このうち、金銭の貸し借りを契約したものを金銭消費貸借契約という。

となっている。
借りたものをそのまま返却するのではなく、「借りたものそのものは消費」して「同じものを同じ数量を返却する」なので、貸出期間中は「Coincheckに貸した私の持ち物」ではなく「Coincheckの持ち物」として管理されるということだろう。

マウントゴックス社の件もあり、取引所ウォレットに保管している仮想通貨は「取引所の資産」と「顧客の資産」を明確に分別するように義務づけられている。
そして一方、取引所に貸出することで期間中は「取引所の資産」として管理される「貸仮想通貨サービス」。

万が一何かあったときの「保有者の所在」のことを考えると、取引所ウォレットと比べて貸仮想通貨サービスのほうがリスクが高いのはわかるだろう。
(いずれも100%ではないが)

契約内容をよく理解して利用する

仮想通貨の保管方法については、常にさまざまなリスクと隣り合わせである。
リスク回避に100%はあり得ないが、そんな中でも少しでもリスクを減らすために、取引所もいろんな対策を施している。
同様に利用者も、リスクの可能性を最小限に抑えられるように考え、行動する必要がある。

記事冒頭に書いたように、この貸仮想通貨サービスは私も利用しており、非常にメリットのあるものだったし今後も利用する予定だ。利用者のことも考えた素晴らしいサービスであると思う。
(全ての通貨が対象というのがまた素晴らしい)

旨味のあるサービスなのは間違いないが、メリットの裏には必ずデメリットがあり、Coincheckはきちんと注意事項として記載している。

それをしっかり理解の上、うまく利用して頂きたいと思う。

そんな貸仮想通貨サービスを運営しているCoincheck(コインチェック)はこちらから。