ICO花盛りな昨今。
「仮想通貨は儲かる」というイメージが一人歩きしているとも言えるこの状況で、有名人を担ぎ出す案件も少なくない。
最近ではGACKTのSPINDLEがいろんな意味で話題になっていたり、また本田圭佑も謎の投資セミナーや仮想通貨ビジネスがどうのという記事を目にする。
このようにいろんな情報があふれる時代だからこそ、真贋を見分ける力というのは特に重要となってくるの言えるだろう。
…と、そんなある日、なかなか香ばしいツイートを目にしてしまった
大山倍達コインのWPをみる朝。何故見ているのか分からない……何も……おはようございます( ˘ω˘) pic.twitter.com/3lE7rxUzsn
— えっっっっま (@emanem__) 2018年1月18日
マ、マス大山のコイン!?
正直、「今度は大山倍達を担ぎ出して…」などと思ってしまう。
どうしても、今流行りのICOブームに乗った感が滲み出てるよなぁ。
ほとんどの人が「ネタ」的な感じにしか思ってないみたいだし。私もそうだけど。
しかし、決めつけはよくない。
マス大山と仮想通貨というものが全く頭の中で結びつかず、さすがに気になるので調べてみた。
(先に断っておくけど、私は買わないので念のため。)
大山倍達コイン。単位は「MAS」!!
こちらが公式サイトのようだ。
https://mas-oyama-coin.org
なかなか味わい深いサイトである。
単位が「MAS」というのがまたシビれる!
大山倍達コインが出るのだから、そのうちアントニオ猪木コイン(INK)も出るんじゃない?
ビジネス話の好きな猪木ならやりかねない!
— PANDA (@bitoff_net) 2018年1月18日
とまあ半分冗談で書いたけど(猪木コインならATNか、それともUFOか?)、オールド極真ファンであれば、
黒崎健時コイン(ONI)
芦原英幸コイン(K10)
盧山初雄コイン(LOW)
真樹日佐夫コイン(WARU)
とか出てきてもおかしくないと思ってしまう!
大山倍達と言えば、梶原一騎原作の「空手バカ一代」が有名。
この作品が、かなり事実からかけ離れてファンタジーな領域の梶原ワールドが炸裂しているのは有名だが(そこが、いい!)、そんな梶原一騎でさえも、マス大山コインという展開は予想だにしなかったはずだ!
そして肝心の、大山倍達はどう思っているのか!?
「コインは売るものではなく曲げるものなんだよ、キミィ!」という声が聞こえてきそうだ!
MASコインの概要
改めてサイトを一通り見てみたが、プレセールなら、1ETHで7,000MAS買える。
…と言われても、高いのか安いのかわからない(笑)
格闘技のイベント・ジム・道場・教育関係など、ジャンルに問われる事のない決済通貨としての普及を目指す
とある。空手の話ではなく、ジャンルに囚われない決済通貨、とのこと。
MAS Coinは、格闘技のイベントや大会の参加/賞金の配布等にも対応。ユーザーが安心して楽しめる環境を構築するためにブロックチェーン技術を使って、大きなお金が動く世界大会にも対応、格闘技界のすべてを一手に担う暗号通貨MAS coin(マスコイン)の開発をしています。
「大きなお金の動く世界大会にも対応」するためにブロックチェーン技術を使うのか?
どうなんだろう…?
そこにブロックチェーンを使う意味があるのかどうかは、わからない!
「Masterデビッドカード機能を持ったマス大山カード」というのは笑ってしまったけど。
(マス大山だからマスターが良い!)
プロジェクトメンバー
そんな大山倍達コイン。
ホワイトペーパーを確認すると、プロジェクトメンバーとしてマス大山の遺族が。
大山喜久子氏は、大山倍達の3女。
ニューヨークの弁護士資格も持っている。
マス大山の死後、分裂を繰り返した極真空手。
よって「極真」を名乗る団体、道場はたくさんあるわけだが、このコインのプロジェクトはいわゆる「遺族派」のもの。
ちなみに遺族派は、極真空手の商標権や大山倍達の肖像権を保有しているのだ。
とはいえ、マス大山の死後、他の流派と裁判を行ったりしているのだから、空手界にこのコインが普及するとは考えにくい。
そして…
プロジェクトメンバーの最後に掲載されている、この人。
この、ジョー・Mという人。
MASコイン・エバンジェリスト(伝道師)とある!
紹介文にある「香港を拠点にゴールドや金融、仮想通貨のビジネスを展開している日系人」というのが、まさに梶原一騎の原作に出てきそうなキャラクターの肩書きであるが、MASコインのキーマンであることは間違い無いだろう!
どんな人が買うんだろう?
この大山倍達コイン。
ホワイトペーパーには色々書いているけど、これが実際にどういった使われ方をするのか?そして価格はどうなるのか?
もちろんわからない。
ICO自体がそもそも「集金」なので、極真の遺族派を応援したい人、寄付をしたい人にはいいのかな?
ちなみに、ここまで書いておいて何だけど、私は買わない。
ただし、このプロジェクト自体がどうなるのかは興味本位だけど気になるので、推移は見守っておきたいと思う。